外壁のカバー工法のメリット・デメリットとは？工事費用やおすすめのサイディング材もご紹介！

外壁のカバー工法とは既存の外壁に新しい外壁材（サイディング材）を重ねて張りつける工事方法です。今の住宅の劣化状況によってカバー工法で施工できるかどうかが決まります。本記事では、外壁のカバー工法のメリット・デメリットや工事費用、おすすめのサイディング材の種類について解説していきます。

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外壁カバー工法のメリット

まずは外壁カバー工法のメリットについて解説します。

外壁の張り替えよりも費用が安く、工期が短い
家の断熱性と防音性が上がる

外壁の張り替えよりも費用が安く、工期が短い

外壁のカバー工法は張り替え工事と違って既存の外壁の解体工事や撤去作業がないため、人件費が抑えられて張り替え工事に比べて工事費用が安くなります。また、同じく解体工事や撤去作業がないことから工事期間が短くなるのもメリットです。

家の断熱性と防音性が上がる

外壁のカバー工法は、既存の外壁材の上から新しい外壁材を張り付ける2重構造となるため、その分住宅の断熱性や防音性が上がります。家の断熱性が上がると、夏は涼しく、冬は温かい室温を保つことができるので光熱費の節約にもつながります。

外壁カバー工法のデメリット・注意点

つづいては外壁カバー工法のデメリット・注意点について解説します。

外壁内部の劣化を補修できない
家の耐震性が下がる
軽量な金属系サイディングしか選べない

外壁内部の劣化を補修できない

外壁のカバー工法では既存の外壁材を剥がすことなく、上から新しい外壁材を張り付けるため、既存外壁の内部（下地部分）の劣化状況を確認することができません。そのため、下地部分が腐食していた場合でもそれに気づくことなく、劣化症状を放置して上から蓋をしてしまうかたちとなってしまいます。

下地部分の劣化は外壁や家自体の強度や耐久性に影響を及ぼすため、築年数の古い物件や雨漏りなどを起こしている外壁の場合は外壁の張り替えをおすすめします。

家の耐震性が下がる

外壁のカバー工法では上から新しい外壁材を張りつけるため、その分家の総重量が増加します。地震が起きた場合は家の総重量が多い建物ほど揺れやすいため、カバー工法をすることで家の耐震性がやや低下するということを理解しておきましょう。

軽量な金属系サイディングしか選べない

前述の通り、カバー工法をする場合は家の総重量が増加するため、できるだけ軽量な外壁材が推奨されます。中でもカバー工法で使われる外壁材は軽量な金属系サイディングがほとんどです。金属系サイディングはスタイリッシュなデザインのため、施工後に家の雰囲気が大きく変わる可能性もあるので慎重に考えましょう。

カバー工法と他工法との違い

外壁リフォームにはカバー工法以外にも外壁張り替えや外壁塗装といった工法があります。それら3つの工法にはどのような違いがあるのでしょうか。

工法の種類	特徴	工事費用
カバー工法	・既存の外壁の上に新しい外壁材を張り付ける工法・新品の外壁材を張り付けるため、新築のような仕上がりになる・外壁内部の補修はできない	150万円〜240万円
張り替え	・既存の外壁をすべてはがし、新しい外壁材を張り直す工法・外壁内部の補修も可能・カバー工法に比べて工事費用が高い	200万円〜300万円
塗装	・既存の外壁を新しい塗料で塗り直す工法・外壁を紫外線や雨などの外的要因から保護し、外壁の寿命を伸ばす・重度の劣化症状には対応できない	80万円〜100万円

外壁リフォームの工法を選ぶ際には、既存の外壁の劣化症状度合いや工事費用の予算などをしっかりと考慮に入れて検討しましょう。

外壁カバー工法はどんな人におすすめ？

ここまでで外壁カバー工法のメリットとデメリット、他の工事方法について解説してきました。それらを踏まえて、改めて外壁カバー工法はどんな人に向いているのでしょうか。

外壁カバー工法がおすすめの人

外壁カバー工法がおすすめな人は以下の通りです。

工事費用を安く抑えたい人
早く工事を完了したい人
比較的築年数が浅く、雨漏りなどの劣化症状がない人

やはりカバー工法の魅力は工事費用が安く、工期が短いことなので、安く外壁全体の工事をしたい場合はカバー工法がおすすめです。ただし、外壁内部の劣化症状はわからないため、築年数が浅く、雨漏りなどの劣化症状が起きていない家である場合に限ります。

そうでない家の場合はカバー工法ではなく、今の外壁材をすべて撤去して作り変える外壁張り替えをおすすめします。

外壁カバー工法がおすすめではない人

外壁カバー工法がおすすめではない人は以下の通りです。

築年数が古い家
家の中で雨漏りなどの劣化症状が起きている家
工事後も長期的にその家に住む予定のある人

外壁カバー工法は外壁の内部を含めて根本的に外壁の補修をすることができないため、工事後も長くその家で暮らしていく予定のある人にはおすすめできません。今後も長く生活していく場合は少々高額になりますが、根本から直すことができる外壁張り替えを行いましょう。

外壁カバー工法の工事費用と工期

外壁カバー工法の工事費用は一般的な30坪の外壁の場合に約150万円〜240万円ほどとなっています。坪数ごとの費用相場は以下のとおりです。

坪数	費用相場
20坪	100〜170万円
30坪	150〜240万円
40坪	190〜270万円
50坪	220〜300万円
60坪	260〜380万円

工事費用は工事を依頼する業者や工事面積などによって大きく変わりますので注意しましょう。また、工事期間は2〜3週間ほどです。

外壁カバー工法の費用内訳

外壁カバー工法の費用内訳は以下を参考までにご覧ください。

項目	費用相場
サイディング材+取り付け	約140万円（5,000〜10,000円/㎡）
下地胴縁	約20万円（1,000〜1,200円/㎡）
防水シート	約5万円
シーリング	約5万円
足場代	20万円（600〜1,000円/㎡）
諸経費（人件費、運搬費等）	10万円（工事費用の5〜10％）
合計	200万円

実際に業者から見積もりをもらう際にはどこにどれくらいの費用がかかるのかを正しく把握するようにしましょう。なかには「一式」などの言葉で費用がひとくくりになっており、詳細がわからない見積もりを出されることもあるため、必ず細かく確認しましょう。

外壁カバー工法におすすめのサイディング材

外壁カバー工法を行う際に使うサイディング材の種類を紹介します。

カバー工法には金属系サイディング材が最適！

外壁のサイディング材は窯業系サイディング、金属系サイディング、樹脂系サイディング、木質系サイディングの4種類があります。

日本国内では窯業系サイディングが広く普及しており、国内の新築戸建ての70％以上に採用されています。一方、窯業系サイディングはカバー工法をする際に新しく張りつける外壁材としては重量が重くなりすぎてしまい、家の耐震性に悪影響となるため、使われることはほとんどありません。

カバー工法ではほとんどの場合に軽量素材の金属系サイディングが採用されます。また、同じく軽量素材である樹脂系サイディングもありますが、国内ではほとんど普及しておらず、取り扱いメーカーも少ないため、使われることは少ないです。

■サイディング材一覧

サイディング材	メリット	デメリット	おすすめ度
金属系サイディング	断熱性が高く、寒さに強い軽量素材なので建物の負担になりにくい金属ならではのスタイリッシュなデザイン	金属なのでサビが発生しやすい傷がつきやすい	★★★
樹脂系サイディング	窯業系・金属系サイディングよりも軽量素材塩害・凍害に強い色あせや変色に強いので長く美しい外観をキープできる	普及率が低く、取り扱っているメーカー・業者が少ない施工費用が高くなりやすい	★
窯業系サイディング	普及率が高いデザインラインナップが多いセメントを使っているので衝撃や地震などに強い	蓄熱性が高い（熱をためこみやすい）防水機能は低い重量が重い	–
木質系サイディング	暖かみのあるデザイン経年によって味わい深くなる断熱性が高い	腐食に弱く、メンテナンス費用がかかる他のサイディング材よりも防火性に劣る	–

金属系サイディングでカバー工法をする場合は既存の外壁と雰囲気が変わってしまうこともあるので、カバー工法をする際には金属系サイディングが使われることを想定してあらかじめどのような雰囲気やデザインにするのかなどを考えておくことをおすすめします。

まとめ

本記事では外壁カバー工法のメリット・デメリット、工事費用やおすすめのサイディング材について紹介してきました。外壁内部の補修ができないため、本当にカバー工法をしていいのか悩まれる方も多くいらっしゃいます。外壁の大規模なリフォームをしたい場合にはさまざまなリスクを想定して全面的な張り替えが推奨されますが、もし予算や工事期間などの面から悩まれている場合には今の外壁の状況を業者にしっかりと調査してもらってから決めるようにしましょう。外壁リフォームをご検討されている方・どのような工事が良いのか分からない方はぜひ弊社にご相談ください。最適な外壁リフォームのプランをご提案いたします。